アリストロキア酸
aristolochic_acid
aristolochic acid I

アリストロキア酸はウマノスズクサ属やカンアオイ属の植物に含まれる。   フエナントレン骨格を有するカルボン酸で、天然物としてはきわめてまれなニトロ基を有する。

アルカロイドとして特異な構造であるが、アポルフィン型アルカロイドであり、真正アルカロイドの一種と考えられる。   アリストロキア酸 Iとメトキシ基を持たないアリストロキア酸 IIが知られている。

アリストロキア酸 I
CAS番号 313-67-7
分 子 式 C17H11NO7
分 子 量 341.27684
260 - 265℃
IUPAC名 8-methoxy-6-nitro-phenanthro-(3,4-d)-1,3-dioxolo-5-carboxylic acid

アリストロキア酸は古くからバルカン腎症の原因物質であると疑われてきたが、近年、発がん性を含め腎毒性があることが確認されている。   アリストロキア酸に暴露した場合、アリストロキア酸はDNA付加体を形成し、除去修復されることなく生体内に長く存在し、毒性を発現する。

国内ではアリストロキア酸を含む生薬や漢方薬の製造、販売は認められていないが、中国など多くの地域では未だこれを含む植物体が生薬として使用されていることがあり、現地購入や個人輸入を通じた購入の際は注意が必要である。

一方、ジャコウアゲハ類(ジャコウアゲハやトリバネチョウなど)はウマノスズクサ類を食草とし、 この化学防御物質アリストロキア酸を利用している。   即ち、ジャコウアゲハは幼虫期にこの毒成分を体内に蓄積し一生体内に保持して、化学防御をしている。