ツルラン (鶴蘭)
高温多湿の日陰を好み、常緑樹林林床に生育する大型の地生ラン*(terrestrial orchid)である。  多くのエビネ属のランは春に開花するが、本種は夏に開花する。
地際に2 cmほどの球茎**(corm)を形成し、株分けで増やすことが出来る。  球茎から30から50 cmの縦方向にしわのある葉を出し、夏に80 cmにもなる花径を出し、その先端には3から4 cmの花を多数付ける。  花は白からアイボリーで、花冠の付け根には黄から紅色の突起がある。  距***(spur)は細長く下に伸び、その先端は後上方に曲がる。  花は短命で数日でしおれるが、下方から順次咲き続ける。
暑さに弱い夏咲き有色種との交配親に使用される。
森林の伐採など環境の劣化や、園芸目的の採取などにより絶滅危惧種となっている。

注)
*   通常の植物と同様に、根を地中に張り、地上に成育する。  ランは多くの場合、樹木や岩石に着生し、これを着生ラン(epiphytic orchid)と言う。  しかし、シンビジュームの様に、地生も着生も可能なものもある。
**  地上茎の基部に出来る貯蔵組織で、球形に肥大した地下茎である。 1つまたは複数の節間を含み、少なくとも1つの成長点を有する。
*** 花被 (花冠または萼) の基部が細長く伸びた管状構造で、通常内部に蜜をためる。  これは、花粉媒介において、口吻の長さが適合する送粉者を選別し、同種の花に花粉が運ばれるようにすることに寄与している。  熱帯雨林等温暖な地域では、多様な植物が混在するため、特定の送粉者のみ密を吸えるような進化を遂げたものが多い。
分 類: ラン科カランセ属
学 名: Calanthe triplicata (Willemet) Ames
和 名: ツルラン (鶴蘭)
英 名: ---
原 産: 九州南部、東南アジア、オーストラリア北部
生活型: 多年生草本
RDB : 絶滅危惧II類(VU)(環境省)、危急種(沖縄県)
植栽場所:シダ室 (移動)→ ハワイアンハウス
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