バニラ

バニラは多肉性着生ランである。  メキシコ南東部、ホンジュラス、グアテマラ、コスタリカなど多湿の熱帯地域に自生する。   ランの仲間としては珍しくつる性で、各節では互生する葉の反対側より気根を出し、樹幹などに絡みつき伸びる。   地面に着けば定着する。  茎の直径は1 cm程度、節間は10 cm程度で、長さは10 m程度になる。   しかし、長いものでは60 mにも達することがある。  葉は肉厚で 10 cmから20 cm程度の長楕円形である。

バニラは大きな株になると、葉腋から短い花径を出し20から30の淡緑色の花を咲かせる。   花は長さが6 cm程度でトランペット状である。  花は短命で早朝に咲き夜にはしぼんでしまうが、下方から順次咲く。   ポーリネーターであるハリナシバチ (ミツバチ科)以外では受粉は難しく、もっぱら人工授粉により結実される。

果実は、インゲンマメの莢の様に細長い円筒形で、半年以上かかって長さは15 cmから30 cm程度になる。   この果実は当初緑色で、成熟に従って黄色になり、4ヶ月から5ヶ月で、光沢のある紫褐色になる。   鞘の中には小さな黒色の種子が無数にある。

バニラの花はかすかに甘い香りがするが、黄緑色の実は単に草の香りがするだけである。   この実は、キュアリングと呼ばれる発酵、乾燥の過程を経て初めてバニラ独特の甘い香りを発する。   これは、果実に含まれているバニリン配糖体(グルコバニリン; Glucovanillin)が果実中の酵素の作用により分解され、香気成分バニリン(Vanillin)が生成することによる。   天然のバニラは数百種類の化合物からなり特有の香味を呈するが、その主たる化合物はこのバニリンである。

キュアリングにより黒くなったバニラの実はバニラビーンズ(Vanilla beans)と呼ばれ、香料として用いられる。   バニラ・エッセンスはその抽出物をエタノールに溶解した物であり、バニラ・オイルはその抽出物を油脂に溶解した物である。   1874年に人工的にバニリンが合成され、また天然のバニリンが高価なこともあって、現在では製品の85 %に合成バニリンが使用されている。

分 類: ラン科バニラ属
学 名: Vanilla planifolia
和 名: バニラ
英 名: Vanilla
原 産: メキシコ、中央アメリカ
生活型: 多年性蔓草
RDB : ---
植栽場所:サンギャラリー
vanilla01 vanilla02
vanilla03 vanilla04
vanilla05 vanilla06
vanilla07 vanilla08
vanilla09 vanilla10