ウラシマソウ (浦島草)

ウラシマソウはテンナンショウ属に属し、雌雄偽異株という性質を有する多年生植物である。   草丈は30 cmから60 cm、時として80 cmになる。  本州、四国を中心に、北海道や九州の一部にも分布する。   豊富な水分と弱い光を好む植物で、直射日光のあまり当たらない樹林下が生育地として適しており、海岸付近の林や人里近い林によく生育する。

地下に偏球形の球茎を形成し、3月から5月頃に萌芽し、1枚の掌状複葉を展開する。   葉柄は花茎を包み筒状になり偽茎を形成し、その後11枚から17枚の小葉を展開する。   葉は、夏から枯れ始め、遅くても秋には落葉する。

花茎は、偽茎から立ち上がり、サトイモ科特有の1枚の仏炎苞を有する肉穂花序を形成する。   花序には通常雌雄どちらかの小花のみを着ける。  花は仏炎苞に囲まれているため、通常外からは見えない。   肉穂花序の付属体は、先端部が細く糸状に伸び、仏炎苞の外に長く伸びる。  この糸状部分は70 cm位にまで伸びる。   この外観より、葉を腰みのに見立て、浦島太郎が釣り竿から釣り糸を垂れている姿になぞらえ、この和名がある。   変種名の urashima はこの浦島に由来する。

ウラシマソウは雌雄異株であり、テンナンショウ属の特徴で、植物の大きさによって性転換を行う。   植物体が小さいときは、栄養相にあって葉や茎など栄養器官のみを分化、形成しており、無性である。   その後、植物体がある程度成長し大きくなると成熟相に入り雄花を形成し、さらに大きくなれば雌花を形成する。

受粉はキノコバエの仲間により行われ、秋にはマムシグサに似たトウモロコシ状の集合果を付ける。   結実当初は緑色であるが朱赤色に成熟する。  各果実中には数個までの種子が含まれる。   結実した花茎は、赤く完熟した果実をつけ晩秋まで残るが、冬には倒れて球根の状態で休眠する。   この球茎は周囲に子球をつけることが多い。

ウラシマソウは、他のテンナンショウ属の植物と同様に、シュウ酸カルシウムおよびサポニンを含み、有毒である。

分 類: サトイモ科テンナンショウ属
学 名: Arisaema thunbergii subsp. urashima (H.Hara) H.Ohashi & J.Murata
和 名: ウラシマソウ(浦島草)
英 名: ---
原 産: 本州、四国、北海道と九州の一部
生活型: 多年生植物
RDB : ---
植栽場所:日本庭園
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