タイサンボク

北アメリカ南部に分布する常緑樹で、樹高は20 mから30mになる。  ミシシッピ州やルイジアナ州では州花となっている。   タイサンボクはゆったりと枝を広げ、大きな葉と花を付け大木となり、泰然とした姿となるため、泰山木もしくは大山木の漢字が当てられる。   この漢字表記より、中国が原産と思われがちであるが、北米が原産である。  日本には明治6年(1873年)に渡来し、公園などに植えられ、広く栽培されている。   その後日本の風景にすっかりなじみ、初夏に白木蓮に似た純白の大きな花を天に向かって咲かせ、甘い芳香を放つタイサンボクの姿は初夏の季語となっている。

葉は長楕円形で柄があり互生する。  長さは15 cmから25 cm、幅は4 cmから10 cmである。  葉は光沢のある濃緑色で、裏面は淡褐色の毛が密生している。

モクレンやコブシなど他のモクレン(マグノリア)属の樹木と比べ、タイサンボクの開花はずいぶん遅く6月から7月である。   個々の花は3日程度でしおれてしまうが、順次開花し1ヶ月ほど咲き続ける。   大輪の白い花は濃緑色の葉色に映えるが、高い位置に上向きで咲くため気づかれないこともある。

タイサンボクは、直径が20cm以上にもなる白い花を咲かせ、芳香を放つ。   タイサンボクの花は、花弁が6枚、萼片が3枚で、中央に雄しべに囲まれた雌しべの束がある。  しかし、花弁の数が7枚以上のこともある。

開花初日に、紡錘形のつぼみは壺状に開く。   開花した時点で雌しべは受粉の準備が出来ているが、雄しべは互いに密着し、葯は内側を向き、まだ花粉を放出しない。   夕方には、花はすぼまるが、完全には閉じず先端は開いている。   この時、1枚もしくは2枚の花弁は内側に湾曲しており、しべを保護するかのように覆い被さっている。   二日目には、花は皿状にまで開くが内側の1枚は開ききらずしべを保護するかのように立ち上がっている。   しかし、この時、柱頭は既に受粉能力を失い褐色に変化している。  一方、雄しべは花粉を露出し脱落する。   二日目に全開となった花は、再び閉じることはなく、3日目には花は褐色に変化し始める。

雄しべは下部より脱落していき、八方に開いた大きなスプーンのような花被片に散らばる。   飛来した昆虫はこれを助長し、全身に花粉をまとい、別の開花初日の花へと移動し受粉を行う。   自家受粉を避け、遺伝子の多様性を維持するための自然の巧みなメカニズムである。

秋に円柱状広楕円形の果実をつける。   この果実は袋果 (熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する) の集合果で、11月頃には成熟しそれぞれの袋果が開裂し紅色の果実を2個白い糸状の柄でぶら下げる。

分 類: モクレン科モクレン属
学 名: Magnolia grandiflora L.
和 名: タイサンボク (泰山木)
英 名: Magnolia
原 産: 北アメリカ南部
生活型: 常緑樹
RDB : ---
植栽場所:宿根草園
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